3年目の夏、エボルタNEOチャレンジ

プロダクション事業部 原田 みな美

▲トライアスロンに挑戦するロボット「エボルタNEOくん」

このトライアスロンのカメラ業務をつけられた当初、下っ端の私がついたのだから難しい業務でもないのだろうと考えていました。 そこまで大事じゃないだろうし、指示を聞いて失敗しないことだけ考えてやろうと思いながらの帰り道、いつも利用する駅のホームにエボルタNEO トライアスロンの広告がでかでかと貼ってありました。
次の日には枚数が増え、その次の日にはホーム一面に広告。
あれ…これは大事なんじゃないのか・・・。
と大きなイベントだという事を徐々に理解し、焦り、リハに参加した先輩カメラマンが日に日に黒くなっていくのを見て、これは生半可な気持ちで取り組んではいけないとさらに焦りました。

私が担当したのは、エボルタNEOくんがどこを走行しているのかを説明するロングショットを撮影するポジションです。走行隊より先回りして待ち構えます。

実際に走る道を歩きまわりながらリハをした日、壁にぶち当たります。
説明ができ、かつきれいな風景の画が撮れるポジションを自分で探さないといけない。
事前にリハをしていたカメラマンや制作の方からある程度ヒントはもらえたのですが、
本番はどうなるかわからない、あとは自分で考えなさいと言われ、一気に不安が押し寄せました。

今まで指示をもらってからしか動けなかった自分が、果たして自ら動けるのか。
本番中誰かに指示をもらうことが出来るかもしれないですが、ここまで来たら腹をくくって自分の意思で画をつくって堂々と待ち構えたい、そう思いました。
貰った台本に撮影ポイントを書き込んで、何度も何度もイメージトレーニングして、本番を迎えました。

本番当日の気温は36°、照り付ける日差しの中12時にスタートしたエボルタNEOくんを見届けて撮影ポジションに先回りします。
LIVE Uを使用していたのでディレイ分を考えつつ撮影することがとにかく難しい、
いつタリーが来るかわからない、どんどんエボルタNEOくんが追い付いてくる、先回りしないといけない、暑い、目に汗が入って前が見えない、暑い、とにかくパニックでした。
頭では理解していても実際ワークをすると、焦りからくる凡ミスでズームはガタガタ、運動不足からくる動悸でカメラを持つ手はプルプル、出来上がった画は散々でSWとうまく噛み合わないこともたくさんありました。
エボルタNEOくんの進むスピードが想像以上に早くて考えていた画がほとんど撮れず、臨機応変に対応もできませんでした。

その後、エボルタNEOくんは無事完走し、大きな事故もなく放送が終了しました。
私の中で可もなく不可もなく終わり、できなかったことだらけで、悔しさがこみあげてきました。

不完全燃焼のまま出先の機材を片付け、サブに戻ると、
「よく頑張った、たくさん画を使ったよ、お疲れさま。」
と予想外の言葉をかけてもらいました。

気を遣っていただいたのかもしれませんが、素直に安心しました。
と同時に悔しがっている場合じゃないと思いました。
私の力量を理解してこのイベントに起用してくれた上司、私の意思を組んで画を取ってくれた先輩、本番中助けてくれた後輩、たくさんの仲間のおかげで今回カメラマンとして参加できています。
同じ悔しさなら、できない悔しさよりも、やり切った末の悔しさを感じないといけない、こんな思いを二度としないように今から練習・経験あるのみだ。とこの業務を通して改めて思いなおすことができました。

また、事業部の性格上、同じ仕事を皆で取り組むということが少ない中 ”チーム一丸”となって取り組めたこともとても嬉しく、とても誇らしかったです。
先輩のカメラマンも今までの仕事の中で一番大変な環境だったと話していたので、本当に良い経験になりましたし、今後の業務にもつなげていきたいと思います。

来年のエボルタNEOチャレンジが今から楽しみです。

▲筆者